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「小規模企業共済は、税金的に、今(生前)解約がいいか、相続までそのままがいいか?」を秒で学ぶ!

今回は、ある経営者の奥様からのご質問です。
コツコツ積立てた小規模企業共済を、今のうちに解約がいいか、それとも、死ぬまで解約しないほうがいいか?

小規模企業共済は、解約してご主人が一括で受け取ると、所得税がかかりますが、解約手当金を退職金とみなして退職所得として計算することができます(65歳未満で解約して受け取ると一時所得となるので取り扱いが違います)。
退職所得は、勤続年数が長いほど、税金負担は小さくなりますし、ほかにも退職所得は税制が優遇されています。

一方、解約せずにそのままにしておいても、死亡退職金として、ご遺族が受け取ることになり、相続税の対象となります。
死亡退職金も相続税の計算上、非課税枠がありますので、税負担としては優遇されていると言えます。

ざっと試算すると、ご主人は、勤続年数がとても長く、今解約して、解約手当金として受け取ったほうが、死亡退職金として受け取る際の相続税試算よりも、あきらかに税負担は小さそうでした。
(以前から、相続のご準備を、ということで、ご相談をいただいており、必要な情報があったためにさっと試算することができるのです。)

また、老後の住処を探したいという夢もあったので、その方にとっては、解約して今今まとまった現金を受け取って、その実現に向けて行動するほうが、人生を楽しめるのではないでしょうか。

小規模企業共済は、多くの経営者が、勇退後の資金準備に活用している制度です。
(小規模企業共済は、掛金が全額所得税の経費(小規模企業共済等掛金控除)となるので、積立時も税金のメリットあり)

 

『秒で学べる隣の税金』とは、

日々いただく税金や会計に関するご質問をひとつひとつ丁寧に、お客様のニーズにあわせて解決策をご案内していると、
いつの間にやら現場の困りごとデータベースとなるのです。

 

そこで、現場で拾った疑問と解決を、皆さんにお裾分け。

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海野裕貴税理士事務所メディア『知的税金生活』企画編集室