新卒の就活をきっかけに日経新聞を読み続けている。かれこれ25年になろうか。
事務所を作りたての頃には、鳴らない電話、届かないメールを待ちながら、手持ち無沙汰が怖くてスクラップを始めた。
事務所経営のヒントを探して、記事を読んではちょきちょきとやる。今では日経電子版でデータクリップできるけど、これだけは頑なにコクヨのスクラップブックに、ちょきちょきやって糊で貼る。
アナログが脳にいい・・・ような気がするのだ。
日課は今も続いていてスクラップブックは60冊を超えた。
飽きっぽい僕が唯一続いてる習慣で宝物。
妻には、一緒に棺桶に入れてくれと遺言してある。
ところで、継続はなんとやらというけれど、長年やってると思いもよらない気づきもある。
川面をぼーっと眺めるように、スクラップブックをパラパラやると、世の中の流れみたいなものがゆらゆら見えるような気がした。
Fintech
2年ほど前からやたらと目につくこの単語。しばらく定点観測してみると、尋常じゃない数が紙面を流れていることに気づく。
どうやら、financeとtechnologyを掛け合わせたこの造語は、金融村だけで騒がれているおらが村の大事件ではなく、調べるほどに、グローバルに人が巻き込まれるうねりではないかい?
私たち税務会計業界も、お客様の経営も、個人の生活も、どうあがいても巻き込まれそうだ。
そもそも、税金は、人や会社の「お金」の活動に密接に紐づいている。だから、これからの税理士事務所は、「税金」を軸に「お金」をアドバイスする存在に変わる。さてどう変わるか?そう常々考えもがいていた折の一筋の光明でもあった。
新しいサービスを創る軸になるのではないか?
点と点が線で繋がった瞬間だった。
(スティーブ・ジョブズのこの言葉、いつか使ってみたかった。)
まずは自分のライフスタイルから変えてみた。
財布を捨てて、iPhoneとカードで生活した。
キャッシュレスライフだ。
うん、身軽になった。どこかのCMで聞いた言葉以上に軽やかだ。
お金を換金せずに、海外にも出た。
ヨーロッパ、特に北欧は、Fintechの先を行っていた。
iPhoneにお金のデータを詰め込んだ。
銀行もカードも、NISA(ニーサ)もiDeCo(イデコ)も、全部ポケットの中。
バラバラだったお金の情報が一つにまとまった時、ライフプランを俯瞰できるのだとわかった。
もちろんクラウド会計も導入している。
金融機関やレジとのデータ連携、ネットさえあればどこからでもリアルタイムに近い会計情報。
まだまだ黎明期だけど新旧ベンダーさんが凌ぎを削って新しい機能を追加する毎日。
これが、まだ産まれたばかりのFintechの力かと思うと身震いする。
少しずつ、でも劇的に、ライフスタイルも事務所経営も変わる予感。
使えば使うほど、Fintechは、大きな可能性を秘めている。
だから、11年使ってきた思い入れのある社名を、思い切って変更した。
株式会社 Fintech&100LIFE labo。
この分野を徹底的に研究して、いいサービスを創り出す、その意気込みだ。
思えば、暇で始めた日経新聞スクラップがきっかけで、会社をつくるなんて・・。
まずは情報発信(ブログ『キャッシュレスライフ』)、そしてワクワクするようなサービスにどんどん変えていこう。
スクラップはアナログ全開だったけど、こっちはデジタル全開で。
新しい海野税理士事務所とFintech&100LIFE labo、どうぞよろしくお願いします。
つづく。海野